4辺の長さが等しい平行四辺形A、B、C、Dがあります。各辺の中点を、E、F、G、Hとし対角線ACと4辺の長さは等しいものとします。
このとき、次の設問に答えよ。
[設問1]正三角形はいくつありますか?
[設問2]二等辺三角形はいくつありますか?
解答と解説
事前準備:
まずは、平行四辺形ABCDに含まれる三角形を全て抽出します。その結果、次の11個の三角形が見つかります。これら11個の三角形を「正三角形」「二等辺三角形」「それ以外」に分類していくことで設問の回答を求めることができます。
(1) 三角形ABC
(2) 三角形ACD
(3) 三角形AEO
(4) 三角形OFC
(5) 三角形ACG
(6) 三角形AOP
(7) 三角形AOG
(8) 三角形POG
(9) 三角形AGD
(10) 三角形APH
(11) 三角形OCG
(12) 三角形AOH
(13) 三角形AEG
設問1解説:
それでは、三角形(1)~(11)を順に見ていきます。
(1) 三角形ABC
設問より辺ACは、平行四辺形の4辺と長さが等しいということなので、「AB=BC=AC」になります。よって、三角形ABCは、正三角形。
(2) 三角形ACD
(1)と同様。「AD=CD=AC」になります。よって、三角形ACDは、正三角形。
(3) 三角形AEO
E点は、辺ABの中点なので、辺AEの長さは辺ABの半分。同様に辺EOの長さも辺BCの長さの半分。更に辺AOも辺ACの長さの半分。よって、三角形AEOは、(1)三角形ABCの各辺を1/2スケールにしただけの三角形。
したがって、三角形AEOは、正三角形。
別の求め方として、角度で考えてもいい。
三角形ABCは正三角形なので、∠BAC=∠ABC=∠BCA=60° だと分かる。更に辺EOと辺BCは並行なので、∠AEO=∠ABC=60°、∠AOE=∠ACB=60° となる。
よって、三角形AEOの3つの内角はいずれも60°なので正三角形と分かる。
(4) 三角形OFC
(3)三角形AEOと同様の考え方。三角形OFCは、(1)三角形ABCの各辺を1/2スケールにしただけの三角形。
したがって、三角形OFCは、正三角形。
(5) 三角形ACG
三角形ACDは正三角形なので∠ACG=60°とすぐに分かる。更に辺AGは、∠CADを2等分しているので∠CAG=30° となる。よって、残る∠AGCは、180-60-30=90°。
したがって、三角形ACGの3つの内角は全てバラバラなので、正三角形でも2等辺三角形でもない。
(6) 三角形AOP
(5)三角形ACGと同様。三角形AOPは、(5)三角形ACGの各辺の長さを全て1/2したサイズ。よって、三角形AOPの3つの各内角は、(5)三角形ACGと同じ、60°、30°、90°となり、バラバラ。
したがって、三角形AOPは、正三角形でも2等辺三角形でもない。
(7) 三角形AOG
辺AOは、辺ACの半分の長さ。辺OGは、辺EGの半分の長さ。辺ACと辺EGの長さは等しいので、辺AOと辺OGの長さも等しいと言える。更に∠OAGは、30°なので、三角形AOGが正三角形でないことは明らか(正三角形の場合は、各3つの内角はそれぞれ60°となる)。
したがって、三角形AOGは、2等辺三角形。
(8) 三角形POG
∠POGは、∠ABCと同じ。よって、∠POG=60°。更に三角形AOGは(7)より辺OAと辺OGが等しい2等辺三角形でかつ、∠OAG=30°と分かっている。よって、∠OGAも30°となる。
このことより、残る∠OPGは、180-60-30=90° となり、三角形POGの各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。
したがって、三角形POGは、正三角形でも2等辺三角形でもない。
(9) 三角形AGD
考え方は、(5)三角形ACGと同じ。
辺AGは、∠CADを二等分しているので、∠GAD=30°。∠ADG=60°なので、残る∠AGDは、180-30-60=90°。三角形AGDの各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。
したがって、三角形AGDは、正三角形でも2等辺三角形でもない。
(10) 三角形APH
三角形APHは、三角形AGDの各辺を1/2しただけの三角形。よって、各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。
したがって、三角形APHは、正三角形でも2等辺三角形でもない。
(11) 三角形OCG
三角形OCGは、三角形ACDの各辺を2等分しただけの三角形。三角形ACDは正三角形なので、三角形OCGも正三角形だとわかる。
よって、三角形OCGは、正三角形。
(12) 三角形AOH
三角形AOHは、三角形ACDの各辺を2等分しただけの三角形。三角形ACDは正三角形なので、三角形AOHも正三角形だとわかる。
よって、三角形AOHは、正三角形。
(13) 三角形AEG
三角形AEGと三角形POGは2組の内角が等しいので相似な三角形になります。三角形POGは(8)より、正三角形でも2等辺三角形でもないことが分かっています。
したがって、三角形AEGは、正三角形でも2等辺三角形でもない。
これらより、正三角形、二等辺三角形、どちらでもない三角形の数は次の通りになる。
正三角形は、6つ
二等辺三角形は、1つ
どちらでもないは、6つ
よって、求める解答は、6つ。
解答:6つ
設問2解説:
設問1より、求める解答は、1つ。
解答:1つ
正三角形は特殊な二等辺三角形なのでそれも含めて設問2の答えは7じゃないですか?
大学生様
コメントありがとうございます。
おっしゃられる通り、正三角形は二等辺三角形の一種です。
しかし、設問1で正三角形、設問2で二等辺三角形と区分けされているので出題者の意図は言わずともわかると思います。
個人的には不適切な問題だと感じていますが、実際には同様の出題がよくされています。(長方形が正方形を含むなど)
出題者の意図で考えると設問2の回答は1
本来あるべき回答は7
どちらで回答されるかはおまかせします。
宜しくお願い致します。
三角形AEGが抜けていますね。
Regina様
ご指摘ありがとうございます。
修正させて頂きました。これからもよろしくお願いします。