4辺の長さが等しい平行四辺形A、B、C、Dがあります。各辺の中点を、E、F、G、Hとし対角線ACと4辺の長さは等しいものとします。

q9-1

このとき、次の設問に答えよ。

[設問1]正三角形はいくつありますか?
[設問2]二等辺三角形はいくつありますか?

解答と解説

事前準備:
まずは、平行四辺形ABCDに含まれる三角形を全て抽出します。その結果、次の11個の三角形が見つかります。これら11個の三角形を「正三角形」「二等辺三角形」「それ以外」に分類していくことで設問の回答を求めることができます。

 (1) 三角形ABC
 (2) 三角形ACD
 (3) 三角形AEO
 (4) 三角形OFC
 (5) 三角形ACG
 (6) 三角形AOP
 (7) 三角形AOG
 (8) 三角形POG
 (9) 三角形AGD
 (10) 三角形APH
 (11) 三角形OCG
 (12) 三角形AOH
 (13) 三角形AEG

設問1解説:
それでは、三角形(1)~(11)を順に見ていきます。

(1) 三角形ABC
設問より辺ACは、平行四辺形の4辺と長さが等しいということなので、「AB=BC=AC」になります。よって、三角形ABCは、正三角形

(2) 三角形ACD
(1)と同様。「AD=CD=AC」になります。よって、三角形ACDは、正三角形

(3) 三角形AEO
E点は、辺ABの中点なので、辺AEの長さは辺ABの半分。同様に辺EOの長さも辺BCの長さの半分。更に辺AOも辺ACの長さの半分。よって、三角形AEOは、(1)三角形ABCの各辺を1/2スケールにしただけの三角形。

したがって、三角形AEOは、正三角形

別の求め方として、角度で考えてもいい。

三角形ABCは正三角形なので、∠BAC=∠ABC=∠BCA=60° だと分かる。更に辺EOと辺BCは並行なので、∠AEO=∠ABC=60°、∠AOE=∠ACB=60° となる。

よって、三角形AEOの3つの内角はいずれも60°なので正三角形と分かる。

(4) 三角形OFC
(3)三角形AEOと同様の考え方。三角形OFCは、(1)三角形ABCの各辺を1/2スケールにしただけの三角形。

したがって、三角形OFCは、正三角形

(5) 三角形ACG
三角形ACDは正三角形なので∠ACG=60°とすぐに分かる。更に辺AGは、∠CADを2等分しているので∠CAG=30° となる。よって、残る∠AGCは、180-60-30=90°。

したがって、三角形ACGの3つの内角は全てバラバラなので、正三角形でも2等辺三角形でもない

(6) 三角形AOP
(5)三角形ACGと同様。三角形AOPは、(5)三角形ACGの各辺の長さを全て1/2したサイズ。よって、三角形AOPの3つの各内角は、(5)三角形ACGと同じ、60°、30°、90°となり、バラバラ。

したがって、三角形AOPは、正三角形でも2等辺三角形でもない

(7) 三角形AOG
辺AOは、辺ACの半分の長さ。辺OGは、辺EGの半分の長さ。辺ACと辺EGの長さは等しいので、辺AOと辺OGの長さも等しいと言える。更に∠OAGは、30°なので、三角形AOGが正三角形でないことは明らか(正三角形の場合は、各3つの内角はそれぞれ60°となる)。

したがって、三角形AOGは、2等辺三角形

(8) 三角形POG
∠POGは、∠ABCと同じ。よって、∠POG=60°。更に三角形AOGは(7)より辺OAと辺OGが等しい2等辺三角形でかつ、∠OAG=30°と分かっている。よって、∠OGAも30°となる。

このことより、残る∠OPGは、180-60-30=90° となり、三角形POGの各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。

したがって、三角形POGは、正三角形でも2等辺三角形でもない

(9) 三角形AGD
考え方は、(5)三角形ACGと同じ。
辺AGは、∠CADを二等分しているので、∠GAD=30°。∠ADG=60°なので、残る∠AGDは、180-30-60=90°。三角形AGDの各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。

したがって、三角形AGDは、正三角形でも2等辺三角形でもない

(10) 三角形APH
三角形APHは、三角形AGDの各辺を1/2しただけの三角形。よって、各内角はそれぞれ60°、30°、90°となり、バラバラ。

したがって、三角形APHは、正三角形でも2等辺三角形でもない

(11) 三角形OCG
三角形OCGは、三角形ACDの各辺を2等分しただけの三角形。三角形ACDは正三角形なので、三角形OCGも正三角形だとわかる。

よって、三角形OCGは、正三角形

(12) 三角形AOH
三角形AOHは、三角形ACDの各辺を2等分しただけの三角形。三角形ACDは正三角形なので、三角形AOHも正三角形だとわかる。

よって、三角形AOHは、正三角形

(13) 三角形AEG
三角形AEGと三角形POGは2組の内角が等しいので相似な三角形になります。三角形POGは(8)より、正三角形でも2等辺三角形でもないことが分かっています。

したがって、三角形AEGは、正三角形でも2等辺三角形でもない。

これらより、正三角形、二等辺三角形、どちらでもない三角形の数は次の通りになる。

 正三角形は、6つ
 二等辺三角形は、1つ
 どちらでもないは、6つ

よって、求める解答は、6つ。

解答:6つ

設問2解説:
設問1より、求める解答は、1つ。

解答:1つ